はなたれ小僧様

甥が寝る前に「お話読んで」と持ってくるお気に入りの本のなかに「はなたれ小僧様」という昔話があります。鼻をたらしたわらしべ神さまがずるっと鼻水をすするたびに小判や宝物がザクザク降ってくる、という面白いお話です。甥は大喜びで昔話を聞いていますが、耳鼻科医の私としては、鼻水をずるっと1回すすると…と読みながら”あー、滲出性中耳炎が悪くなるよー”とか、”鼻水がのどに落ちて痰になっちゃうよー”と、ついつい思ってしまいがちです(笑)。耳鼻科では子供の鼻汁をオリーブ管(先端がオリーブの実のような形をしている管)で吸引します。しかし、幼児でまだ鼻が上手にかめないお子さんの場合、私は細いチューブを使ってのどの奥まで落ちた鼻水まで吸引するようにしています。のどに落ちた鼻水は夜間の痰やせき込みの一因となることがあるからです。子供さんはいやがりますが、チューブが細いので実際は痛みなく 夜間の咳も減少し、保護者のかたにも喜ばれます。
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