三寒四温

2月になると登場する当院の掲示板ギャラリーです。毎年花粉症で当院に受診されている患者様のなかには、また今年も飾ってあるな、と見覚えてくださっているかたもいらっしゃるかも知れません。先生が子供の頃に書いたんですか?と聞かれることもありますが、私は大の習字嫌いで小学校の時分親に書道教室に行かされましたが、あっという間にやめてしまいました。これは甥っ子が小2か3年生の時に書いたものです。自分がいうのもなんですが、とても上手だと思います。文献を調べたことはありませんが、私は字のきれいさは遺伝だと信じています。だから、私の字は読めないほどではないですが、いわゆる「美文字」でないのは遺伝だから仕方がないのです。母方の祖父は尋常小学校までしか出ていませんが、字がとてもきれいでした。子どもの頃、祖父に頼まれ八百屋さんに買い物に行くとき広告の裏に書いた買い物リストをよく渡されました(昔はメモ用紙なんてないので広告の白い裏紙なんですね、懐かしい)。祖父は金庫の設計、製図を仕事にしていたので、几帳面で、たとえメモでもきれいな字で縦一列に「人参」「蓮根」「法蓮草」「加里粉(カレー粉)」などすべて漢字で書いていました。小学高学年であった私は大概の漢字は読めたのですが、「馬鈴薯(ばれいしょ=じゃがいも)」と書かれたものだけがわからず、困ったことを覚えています。

我が家系の美文字遺伝子はおそらく子供のうちの1人にしか遺伝しない特徴があります、たぶん。祖父から母へ、そして私のところには来ず、妹に伝わり、妹の二人の子供のうち長男に伝わったようです。この美文字遺伝子を持った人たちは実に全員似たような字を書きます。開院した当時妹が受付事務を手伝ってくれていたのですが、最近久しぶりに彼女の書いた診察券をみました。それで思い出して急いで「三寒四温」を飾ってみました。そしておそらく字はもともと象形から来ていると考えると絵の才能も美文字遺伝子にリンクしていると考えられます。まったくの私説ですが、誰か詳しい研究をしている人がいたら教えてください~~。「三寒四温」の甥っ子も今では私を追い越す背丈の中学年です。絵を描くのがなかなか得意で、勉強しなさいと説教されているその合間、ノートのはじっこでめちゃ上手な漫画をこっそり描いています(^^)。おそらく勉強好きの遺伝子は美文字遺伝子とは関連性がないのでは、と仮説をたててひそかに観察しDSC_0012ている今日この頃です。

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